偏頗弁済(へんぱべんさい)と債務整理

公開日:  最終更新日:2018/03/31

偏頗弁済と連帯保証人

偏頗弁済(へんぱべんさい)って何ですか?

自己破産や個人再生は全ての債権者を対象に免責や減額をするのですが、手続き中に特定の債権者にだけ返済をしてはいけません。

これを偏頗弁済(へんぱべんさい)って言うんですね。

たとえば親族や知人に借りていた場合、破産して迷惑をかけたくないと、親族や知人にだけは返しておこうとか思うかもしれませんね。
他には連帯保証人がいる債権者にだけ返済して、連帯保証人に迷惑がかからないようにするとか。
でも、これは偏頗弁済になってしまいます。
偏頗弁済は免責不許可事由なので免責が下りないということになってしまいます。

親族や知人にどうしても返したいのなら、破産する事を告げておいて手続きが終わって免責になってから余裕がでれば返せばいい話です。
まあ、ばれるのも嫌だから返済しておこうと思うのかもしれないですけど。

個人再生でも偏頗弁済は不認可となる可能性があります。


債務整理は連帯保証人に迷惑がかかる

借金をするときに知人に保証人になってもらう事があります。
通常のクレジットカードやキャッシングでは保証人をつける事はあまり無いですね。

ただの保証人と連帯保証人は少し意味が違います。

ただの保証人には、催告の抗弁権、検索の抗弁権、があります。
ざっくり言うと、
催告の抗弁権は先に債務者に請求してという権利。
検索の抗弁権は債務者には資力があるから、そっちから差押えてという権利。

連帯保証人にはこれがありません。
連帯保証人は債務者とほぼ同じ立場ですので、債務者に請求せず連帯保証人に請求してもいい。

でも、ただの保証人でも保証人には違いありませんから、主たる債務者が債務整理すると抗弁のしようが無いかもしれません。

では債務整理、たとえば自己破産をした場合はどうでしょう?
債務者が自己破産をして免責になると、連帯保証人も免責になるのでしょうか?
いいえ、連帯保証人は免責されません。
債権者は連帯保証人に請求できます。

任意整理や特定調停は相手を選ぶことができますので、保証人のついていない債務に限定して行うこともできます。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket



新しい記事