気にはなるけど、入りにくい店
やりたい事、やりたい業種が決まっているなら、それでいいのですが、新しくビジネスを始めようという時に、「変わった事」をしなければいけないと思う人が結構います。
「変わった事」とは、誰もやっていないような事とか、変わった店を作りたいとか、そういう事なのですが、はじめから奇をてらった事を狙うのはどうかな?と思ってしまいます。
たとえば、お店を開こうと思ったときに、初めて商売をする人などは内装に異常に拘ったりしますね。
ある程度の独自色は個性という面であってもいいと思うのですが、変わりすぎたものは、まず、入りにくさにつながるのでは?と思うのです。
「おしゃれな店にしたい」程度なら構いませんが・・・いや、業種によっては、おしゃれさも邪魔になることもあります。
まず「何屋さんなのか」が明確に分かるというのも大事です。
奇をてらいすぎて自己満足に陥るケースもよく見かけます。
先日も新規で飲食店を開こうという方とお話をしました。
店の詳細は書けませんが、内装費が倍近くもなるのに変わった店作りを考えておられました。
繁華街のど真ん中で、お客さんも新しい刺激を求めているというのならわかるのですが、場所は住宅街の商店街でした。
私が今まで見てきた経験から言うと、店で一番大切なのは「入りやすさ」です。
外から中がよく見えないなら、外観で明確に何屋さんかわかり、威圧しない外観が理想だと思っています。
「ちょっと気になるけど入りにくい」このパターンの店になりそうです。
当然、接客やサービス、メニュー、味、が大事なのは言うまでもありません。
しかし、まず入ってもらわないと始まりません。
「入ってくれたお客さんから広げていくつもり」という事でした。
それなら、チラシやホームページを利用して店内の雰囲気を伝えるなど、気楽に入れる工夫が必要かもしれませんねと話しました。
ユニークさは店に来てくださったお客さんへのサービスなどで出していけるのでは?
実にユニークな方だったので、お客さんを掴むことは出来るように思います。
初期投資を回収したところからが利益とも言えますから、初期投資をできるだけ抑え、内装費にかける予定だったものはプールしておいてもいいのかもしれません。
その上で、最初のお店が軌道に乗ったら、そのお金を利用して2店舗目でユニークな店を作ってみるのもいいかもしれません。
結局、外観はシンプルなものに抑えて、店内を個性的なものにしようという所で落ち着きました。
店内は飾り付けや小物でも工夫できます。
変わった商売、変わった店づくりは、立地などからニーズがあるかを検討してみる必要がありますね。
どうしても初めは世の中のニーズを無視して、自分の思いに走ってしまいがちのようです。