個人再生のたまにある質問

公開日:  最終更新日:2018/03/31

個人再生Q&A

個人再生の返済が5年になる特別な事情とは?

個人再生の返済期間は原則として3年です。
特別な事情があれば5年に延長することができるとあります。

利息はもうありませんから、3年より5年の方が月々の返済が相当楽になります。
余裕が出来れば繰り上げて返済すればいいわけですから、誰でも5年にしておいて欲しいところです。
しかし、だれでも5年が認められるわけではありません。

例えば高齢の親と同居して介護がある。医療費がかさむ。
子供が3年の間に次々と進学する時期にある。
いろいろな事情がありますが、裁判所を納得させられるだけの事情が必要です。

それに最も大事な部分としては、債権者を納得させられるかでしょうか?
返済期間が長期になると債権者の同意が得られない可能性もありますね。


個人再生で債権者が異議があるか?

個人再生は債権額が大幅に減額され、3年~5年かけて支払っていくという制度です。
いろいろな条件がありますが、その中に再生計画案に対して、
債権者の半数以上の同意、または債権総額の2分の1を超える同意が必要。
というものがあります。

債権者が5人いるなら3人以上の同意が必要。
債権額が500万円なら250万円を超える額の債権者の同意が必要。
という事になります。

同意しない債権者はどれぐらいいるのでしょう?
これから個人再生しようという人なら気になるところです。

まず普通の金融関係からしか借りていないのなら、まず大丈夫、同意します。
例えば、借入額のうち1社で過半数ある場合だけ異議を出すという事がありますが、異議を出して自己破産されるよりはマシと考えることもあります。
細かい借入が数社ある場合はまず問題ないでしょう。

個人や取引先など、これは相手次第ですが少額ならどうしようもありません。

結論としては、ややこしそうな相手が過半数持ってる場合。
このケースを除いて、同意が取れないケースは無いと思われます。

個人再生委員とは

個人再生をすると個人再生委員というものが選任されます。
裁判所により個人再生委員が選任されないケースもあります。
東京地方裁判所では個人再生委員が必ず選任されるようです。
個人再生委員は手続きの指導監督のために選任されます。

この個人再生委員にも15万円程度の報酬を支払わなければいけません。
個人再生委員には裁判所が弁護士を選任します。
裁判所によっても違いますが、弁護士歴10年以上のベテランで管財人の経験豊富な弁護士が選ばれるようです。

弁護士や司法書士に依頼して報酬を支払って手続きをして、個人再生委員にも報酬を支払う・・・。
「お金無いって言ってんでしょ?」って感じですよね?

東京地方裁判所などでは履行テストというトレーニング期間があります。
個人再生委員に再生計画で毎月支払うのと同額を支払って、本当に返していけるのかを見る期間です。
この支払いで積立てたものが個人再生委員への報酬となる仕組みです。

個人再生委員は裁判所によって弁護士が関与していると選任されないことがあります。
大阪地方裁判所管轄では弁護士に限らず司法書士の関与でも個人再生委員は選任されないケースがほとんどです。
逆に東京地方裁判所管轄では弁護士が関与していても個人再生委員が選任されます。

個人再生はアルバイトでも可能です

個人再生には継続的または反復的に収入を得る見込みがあればできます。
これはアルバイトでも派遣でもOKです。
逆に配偶者に返済可能な収入があっても、本人が無職や専業主婦では個人再生はできません。

こうなると、次によくある質問は「今は無職だけど、就職したらOK?」というものです。
まあ、それは一応OKという事になります。
「収入を得る見込みがある」という事になります。
どれだけの給料があるかという事も問題にはなります。
その給料で返済できるのか?という事ですね。

しかし働いてすぐに辞めるというわけにはいきません。
減額されたといっても返済していかないといけないので、また返せなくなってしまいます。
個人再生の手続きは6ヶ月~1年、場合によってはそれ以上かかるので、その間に仕事を辞めるわけにもいきません。
地域にもよりますが、返済が可能かを見るために積み立てをさせられます。
個人再生が認可されたら仕事を辞めてもいいですが、どうやって返すの?という話ですね。

個人再生をした後に自己破産は出来るのか?

自己破産をしてしまうと7年間は再度の自己破産ができません。
そうそう続けてされても困りものですもんね。
自己破産は言わば最終手段なので、借金が全部無くなるからと安易に選択するのも考えものです。
7年間は自己破産が出来ないと承知で、お金を貸そうとする闇金融などもあるようです。

自己破産の手前?という表現はおかしいかもしれませんが、個人再生という手続きがあります。
個人再生は今後の支払能力などが必要ですが、借金が5分の1(最低100万円)になります。
3年かけて返済していくのですが、自己破産と違い住宅ローンはそのままで持ち家を残す事ができます。
しかし、減額されたとはいえ借金の返済と住宅ローンの返済が続きますので楽とは言えない状況が続きます。

一応、個人再生をしても自己破産はできますが、不安があるなら自己破産を選択する方がいいかもしれません。
個人再生の返済中に計画通りの返済が出来ない場合に再生計画の変更をして2年間の延長が認められる場合もあります。
それでも、どうしても返せないという場合には自分が望まなくても自己破産という流れになります。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket



新しい記事